地中熱利用

地中熱利用情報

 

地中熱とはどんなものなのか、地中熱を利用して何ができるのか、当社が2017年に開発した地中熱を使用したヒートポンプシステムの紹介などについて、このページで説明やご紹介いたします。長いページになりますので、ご覧になりたいものを下記にてブックマーク(リンク)しておりますので、ご利用くださいませ。

地中熱(地下水熱)とは

地中熱利用のメリット

地中熱を利用してできること

当社の地中熱利用の紹介



地中熱(地下水熱)とは

 地中熱とは、浅い地盤中に存在する低温の熱エネルギーです。
大気の温度に対して、地中の温度は地下10~15mの深さになると、年間を通して温度の変化が見られなくなります。そのため、夏場は外気温度よりも地中温度が低く、冬場は外気温度よりも地中温度が高いことから、この温度差を利用して効率的な冷暖房等を行います。

 自然エネルギーは太陽光・地中熱・風力・再生可能なバイオマスなど、なくなることがほぼ無い非枯渇性エネルギーとして注目されています。世界的に新エネルギーの利用技術が開発される中、自然エネルギーの活用は非常に重要視されています。その中で、昨今は地中熱利用事業が日本全国に広がっています。再生可能エネルギーである地中熱は次世代エネルギーとしての注目度はもちろん、CO2排出の少ない環境にも配慮したエネルギーとして一般家庭のみならず、学校や公共施設などの大規模空間にも広がっており、富山県においては 富山県美術館において地中熱ヒートポンプシステムが導入されています。

地中熱エネルギーの特長

特長 特長の説明
恒温性 地中温度は年間を通してほぼ一定です。その温度はその土地の平均外気温度の+2℃といわれ、10℃~17℃です。夏は外気温より低く、外は外気温より高くなります。
熱源性 地中熱は大量の温度差エネルギーがあり、自然エネルギーとしては寒冷地において唯一暖房に使用できるエネルギーと言われています。
一般性 地中熱はどこにでもあります。太陽光エネルギーや風力のようにその土地によって大きな差があるということはありません。
蓄熱性 地中は大きな地熱能力を持つため、夏場は冷排熱を地中に排熱し、冬場はその熱を採熱源として利用するという季間蓄熱が可能となります。

 

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地中熱利用のメリット

地中熱を利用した冷暖房の場合

・一般エアコン(空気熱源ヒートポンプ)に比べ効率が高い

・節電効果が高く、夏の冷暖房時のピークカットに有効

・エアコンが利用できない環境(外気温-15℃以下)でも利用可能

・熱を屋外に放出しないことによるヒートアイランド現象の緩和

・CO2排出量抑制

・動力部分を屋外に設置することで原動機から出る低周波や騒音を遮断できる

 

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地中熱を利用してできること

一般住宅 … 地中熱(地下水熱)冷暖房システムで、冬は床暖房、夏は冷房に利用できます。石油燃料や電気量の削減が期待できます。

商業施設 … 地中熱(地下水熱)冷暖房システムで、従来のエアコンよりも地球にやさしい省エネルギーシステムとして利用できます。石油燃料や電気量の削減が期待できます。

工場 … 地中熱(地下水熱)を利用して冷却システムが利用されています。石油燃料や電気量の削減が期待できます。

農業ハウス … 地中熱(地下水熱)を利用して、ハウス内の気温を18℃に設定した農業ハウスとして利用されています。燃料タンク、防油堤等の排除ができます。

融雪システム … 地中熱(地下水熱)を利用し、無散水融雪システムが利用されています。

出典:地中熱利用促進協会HP

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当社の地中熱利用の紹介

「地下水熱を利用した当社独自のヒートポンプ冷暖房システムの開発」

 当社は、井戸工事を始め、ポンプ設備工事、配管工事、地下水調査を行うトータルメンテナンスのプロ集団です。さく井工事におきましては、創業以来90年を超える実績を持ち、富山県内では約3,500本の施工しているなど、井戸の掘削や地下水のことは知り尽くしており、当社の大きな強みとなっています。富山県は地下水が豊富であることから、当社の大きな強みを活かし、2017年3月から9月にかけて、帯水層まで掘削した全国的にもまだ少ない「地下水熱を利用したヒートポンプ冷暖房システム」の試作開発を行いました。

【地中熱(地下水熱)利用形態】

 地中熱ヒートポンプシステムには、クローズドループ方式とオープンループ方式があります。当社ではクローズドループ方式にて開発致しました。下記にて2つの方式の違いについて説明致します。

クローズドループ方式

 地中から熱を取り出すために地中熱交換器内に流体を循環させ、汲み上げた熱をヒートポンプで必要な温度領域の熱に交換するシステムです。このシステムでは効率的に冷暖房及び給湯を行うことができます。

 地中熱交換器内を循環させる流体には、通常は不凍液または水を用いますが、冷媒を用いる方法も開発が行われています。

 地中熱交換器には、垂直型、水平型、傾斜型があり、垂直型のものには掘削孔を利用するボアホール方式と杭(基礎杭・採熱専用杭)を利用する杭方式があります。通常はUチューブと呼ばれる採放熱管が挿入されますが、杭方式では内部にはった水の循環で熱交換するタイプのものもあります。

 このクローズドループ方式による地中熱ヒートポンプシステムは、メンテナンスがほとんど必要ないため適用範囲が広く、住宅、構築物、プール、融雪に適用されています。

 

オープンループ方式

 揚水した地下水の熱を地表にあるヒートポンプで取り出す方式です。ヒートポンプで熱交換した後の地下水の扱い方についてはいくつかの方法があり、同じ滞水層に戻す方法のほか、別の滞水層に注入する方法、地下に戻さず地表で放流する方法等があります。

 このシステムはクローズドループと比べ、ボアホール1本当たりの採熱量が大きくなることから経済性に優れていますが、井戸内において目詰まりが生じることがあるためシステムのメンテナンスが必要です。このシステムは、これまで比較的規模の大きな施設に適用されています。

 

【当社がクローズドループ方式を選んだ理由】

 オープンループ方式は、井戸内において目詰まりが生じることがあるため、システムのメンテナンスが必要で課題があることから、当社ではクローズドループ方式の地下水熱ヒートポンプ冷暖房システムを開発しました。

 

 

【地中熱(地下水熱)利用したヒートポンプシステムのしくみ】

 井戸の地下水面下に不凍液を内在するUチューブを挿入し、Uチューブ内の不凍液を循環させ、不凍液の温度を井戸水温に近づけます。このUチューブをヒートポンプ機にに引き込み、ヒートポンプ機と室内機とを循環できるように配管した管内に冷媒を入れ、ヒートポンプ内で不凍液の温度を冷媒に伝達し、冷媒を循環させ室内の温度を高温化或いは低温化させます。年間を通してほぼ一定の井戸水温は、夏季の室温と冬季の室温のほぼ中間にあります。この温度差を不凍液から冷媒に伝達させ、冷媒を放熱(夏季)或いは吸熱(冬季)させ、さらに温度を補完して最適温度にし、これを循環させて最適室温を保持します。

 

【開発実施の流れ】

①冷暖房システムの把握

 ・当社における技術的課題の把握と、地下水冷暖房システムの機能の把握を行う

 ・地下水冷暖房システムの設置場所の検討を行う

②地下暖房システムの比較検討・図面作成

 ・同種の冷暖房システムを扱うメーカーの選定を行う

 ・操作性の確認、オプションなどの有無の検証を行う

 ・システム設備等の図面制作

③システム設備等の購入

 ・井戸の機械設備、システム設備等の購入

④井戸の掘削・システム設備の設置

 ・自社敷地地内に井戸を掘削

 ・掘削した井戸に井戸設備を設置

 ・配管やシステム等の設置

⑤動作確認

 ・井戸設備の動作状況、システム設備の動作状況の確認

 ・空調度合いを確認し、課題等を検討

⑥完成

 

【当社の地中熱(地下水熱)利用の工事写真】

 実際の工事作業風景や完成写真などです。どうぞご覧ください。

 

 

【当社の地中熱(地下水熱)ヒートポンプ開発事業によってでできるようになったこと】

◎床暖房 リフォームで、もとある床を底上げしての床暖房です。冬に活躍しています。

◎送風機 夏に冷たい風が流れます。

◎自然水位測定装置 自社の井戸の自然水位を観測できるようになりました。過去のデータも記録される機能もあります。

◎災害用手押しポンプ 電力なしに使用できる井戸で、災害時に助けになります。

 

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